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消化器|肝炎

肝炎の基礎知識

倦怠感や食欲低下を引き起こす、肝炎

2022年3月15日|82 VIEW

肝炎とは、何らかが原因となって引き起こされる肝臓の炎症です。その中でも日本人に最も多い肝臓病がウイルス性肝炎。成人が急性肝炎として発症しやすい「B型肝炎」や、慢性肝炎から肝硬変・肝がんへと進行しやすい「C型肝炎」などが代表的な例です。

肝炎の特徴的な症状は?

肝炎を引き起こす原因となるウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型の5種類が確認されています。今回は日本人に多い「B型肝炎」と「C型肝炎」の症状について解説していきます。

<B型肝炎について>

B型肝炎は、感染して1〜6ヶ月の潜伏期間を経て症状が見られる急性肝炎と、出産時や乳幼児期に感染して10代から30代で発症する慢性肝炎の2パターンに分けられます。いずれも初期症状の倦怠感や発熱などがあったのち、多くの人が黄疸を発症します。ただし、黄疸もなく感染自体に気づかない軽症の場合もあります。

B型肝炎の症状
・倦怠感
・発熱
・食欲低下
・黄疸
・吐き気
・嘔吐
・右脇腹の痛み

<C型肝炎について>

日本の場合、C型肝炎は40歳以上に多く見られます。そのうちキャリア(ウイルスを持っていて無症状の人)の20%〜30%は過去に輸血を受けたことがある人で、他の人はいつどこで感染したか明確にわかっていません。現在は献血された全ての血液でC型肝炎ウイルスの検査が行われているので、輸血による感染の危険性はほとんどなくなっています。

多くの場合は自覚症状が特に現れませんが、そのまま肝硬変に進行してしまうケースもあります。

C型肝炎の症状
・倦怠感
・疲れやすい
・食欲不振
・吐き気
・嘔吐

肝炎が発症してしまう要因とは?

肝炎は血液や体液によって感染しますが、感染経路として母子感染を指す「垂直感染」とそれ以外の「水平感染」があります。

<垂直感染>

母親が肝炎に感染している場合、出産時に血液を介して赤ちゃんに感染することがあります。
この時点で、子どもは無症候性キャリアに。B型肝炎は、母子感染防止策がとられる以前の母子感染によるものが多いですが、思春期〜30歳頃になるとウイルスを排除するため、免疫機能が肝細胞を攻撃するようになり、肝炎が発症。軽症の人がほとんどですが、約10%の人が慢性肝炎へと移行し、約1~2%の人が、肝硬変や肝がんとなります。一方のC型肝炎はB型肝炎に比べて母子感染はそれほど多くはありません。感染したとしても3歳までに約30%の人が自然に治ると言われています。

現在では母子感染防止策がとられているため、新たな母子感染が起こるケースはほとんどありません。

<水平感染>

以前は医療現場での注射器の使い回しや肝炎ウイルスに汚染された血液の輸血など不適切な医療行為による感染がありましたが、近年ではワクチン接種や医療環境の整備、献血された血液の適切な検査などによって、このような要因での感染はほとんど起こらなくなりました。現在はピアスの穴あけや入れ墨などで器具を適切に消毒せず、繰り返し使用したことなどによって感染するケースがあります。
そのほかC型肝炎ではあまり見られませんが、B型肝炎では性行為による感染が近年増加しています。

肝炎の対策となるポイントとは

肝炎は、血液や体液を介して感染しますが、空気感染することはありません。血液や体液が付着しないよう注意していれば、日常生活における感染のリスクはほとんどありません。

感染予防のポイント

・歯ブラシ、ひげ剃り等の血液が付着する日用品は個人専用にする
・出血時は、できるだけ自分で手当をして、血液の付着したものは包んで捨てる
・トイレの後は、流水で丁寧に手を洗う など

また肝炎のウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で知ることができます。 特にC型肝炎はほとんどの方に自覚症状が見られないため、気になる方はかかりつけ医に相談して血液検査をしましょう。


参考文献・出典など
公益財団法人ウイルス肝炎研究財団
肝炎.net
■全国健康保険協会【ウイルス性肝炎】 日本人に最も多い肝臓病
■大塚製薬肝臓病の原因はいろいろとある
■国立研究開発法人 国立国際医療研究センター肝炎情報センター

画像提供:PIXTA

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