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がん|大腸がん

大腸がんの基礎知識

その血便やお腹の張り、ひょっとすると大腸がんかも?

2022年2月16日|398 VIEW

大腸がんは、最も患者が多いがんの一つです。
初期症状がほとんどなく、進行によって血便や下血、お腹の張りや貧血が起こるようになりますが、早期発見により治療できる確率は高くなっています。
今回は「大腸がん」について解説していきます。

大腸がんの特徴的な症状は?

大腸がんは、病期の早期段階では自覚症状がほとんどないといわれています。
がんが進行することで腫瘍が便の流れを妨げたり、腸からの出血で便に血が混じることがあります。
一口に大腸といっても成人では1.5〜2m程の長さがあるため、腫瘍の位置によって起こりやすい症状に若干の差があります。

<右側大腸がん>

主に人体の右半身にある部分(盲腸・上行結腸・横行結腸)を指し、ここにできるがんを「右側大腸がん」といいます。
小腸に近い部位であり水様便であるため、腫瘍により便の流れを妨げることが少ないことから症状が出にくく、より進行して発見されるという特徴があります。
患部の出血による貧血や腹部のしこりが発見の契機となることが多いようです。

<左側大腸がん>

主に人体の左半身にある部分(下行結腸・S状結腸・直腸)を指し、ここにできるがんを「左側大腸がん」といいます。
大腸がんによる「痛み」は、ほとんどの場合腸管の通りが妨げられることに由来しているといわれており、この部分に腫瘍ができると腹痛の症状が現れ、同時期に嘔吐や細い便・血便が生じてくる場合があります。

大腸がんが起こってしまう原因とは?

大腸がんの主原因のひとつは、生活習慣といわれています。
1990年代以降、日本全体としての食生活の変化、特に動物性食品である乳製品や肉、油などの摂取量増加が最も影響しているといわれています。
結果として食物繊維摂取量の減少、飲酒量の増加、また機械化による身体活動量の低下も大腸がんの増加に影響している可能性があることが指摘されています。
また、大腸がん全体の約5%〜10%が遺伝性といわれています。

<大腸がんの発生しやすさ>

このような背景から、日本ではここ数年で毎年15万人前後が大腸がんを罹患しており、男性のがん罹患者数では前立腺がん・胃がんに次いで3位、女性では乳がんに次いで2位であり、男女合計だと胃がんを抜いて1位になっていることから、罹患者数がいかに多いかを伺うことができます。

<大腸がんがおこりやすい年齢>

大腸がんは40代以降徐々に増え、高齢になるほど発がんリスクが高くなります。
一生のうち大腸がんにかかる割合は、男性では11人に1人、女性では13人に1人といわれています。
意外かもしれませんが女性の大腸がんによる死亡割合は1位になっているため、危険性は拭えない病気だといえます。リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)などで50歳未満に発症することもまれにあります。

大腸がんの予防・早期発見のために、おさえておくべきポイント

前述の通り、大腸がんは日本人全体で最も多く患者がいます。
がんが発見されてから5年経過後の生存割合を示したものを「5年生存率」といい、がん治療における一種の指標とされていますが、早期発見によって5年生存率が9割以上になることが知られています。
※大腸がん全体の5年生存率は7割程度、ステージ0・Ⅰで9割、ステージⅡで8割、ステージⅢで6~7割になりますが、ステージⅣまで進むと約2割と極端に割合が低くなることがわかっています。
そのため、早期に早く発見して治療することが最善だと言えます。

<生活習慣の見直し>

大腸がんは生活習慣に大きく関係していることは先にお話ししました。
具体的に言えば、赤肉(牛肉や豚肉)や加工肉を多くとる人、野菜をあまり食べない人、飲酒、運動をあまりしない人、肥満などがリスクをあげるため後に示すセルフチェックを元に、今一度普段の食生活を振り返りましょう。

<便潜血検査を受ける>

便潜血検査は、便に血が混じっていないかどうかを調べる検査のことです。
厚生労働省では、大腸がん検診として40歳以上を対象として「問診および便潜血検査」を年1回以上受けることを推奨しています。

<家族歴を確認する>

血縁者で大腸がんや子宮体がん、胃がんにかかった人が複数いて、その中に50歳未満で発症した方がいる場合は注意が必要です。


※参考文献・出典など
■国立研究開発法人国立がん研究センター「大腸がん
■日本医師会「知っておきたいがん検診
■日本がん登録協議会「わが国における最近の大腸がん増加とその背景
■がん情報サービス「最新がん統計
■大腸癌研究会「大腸治療ガイドライン
■厚生労働省「がん検診の現状について

画像提供:PIXTA

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