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がん|乳がん

乳がんの基礎知識

およそ10人に1人がかかるとされ、年々増加傾向にある「乳がん」

2022年3月15日|196 VIEW

他のがんに比べて若い40〜50歳代女性の発症が多く、ごくまれに男性も発症します。初期症状に乏しいので定期検診が欠かせません。

乳房にはりめぐらされた乳腺にできる悪性腫瘍が乳がん

乳房のほとんどを乳腺が占めており、母乳を作る小葉と、母乳を乳頭まで運ぶ乳管とでできています。乳がんの約90%以上が乳管から発生する乳管がんで、約5〜10%が小葉から発生する小葉がんになります。他にも粘液がん、管状がん、腺様囊胞がんという特殊なタイプもありますが、それほど多くはみられません。

乳がんのおよそ半数が乳房の中でも上部のわき側(わきの下も含む)にできるとされています。乳がんは1カ所にできるとは限らず、2カ所以上になる場合もあります。 早期のがんを非浸潤がんと呼び、がん細胞が乳管や小葉の内部にとどまっている状態を指します。早期がんである非浸潤がんではその多くが治るといわれていますが、あまり自覚症状は感じられません。

また、がん細胞が増殖し、乳管や小葉の外にまで広がった状態を浸潤がんといいます。 乳管や小葉にできた非浸潤がんが時間の経過とともに増殖し、乳管および小葉の周囲にまで及んで浸潤がんとなり、進行するとわきの下の血管やリンパ管へと広がって、血流やリンパ節により遠くにある脳・骨・肺・肝臓など全身に遠隔転移します。 乳がんは転移しやすい「がん」ですが、早期発見・治療をすれば比較的治りやすいのも特徴です。

考えられる主なリスク要因

乳がんの発生・増殖には女性ホルモンの一種であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が関係しているといわれ、次のような要因が考えられます。

・初経の年齢が早い
・初産の年齢が遅い
・閉経の年齢が遅い
・出産経験がない
・授乳経験がない
・閉経後に太った
・飲酒習慣がある
・近親者に乳がん罹患者がある
・良性乳腺疾患を患ったことがある

これらのほとんどが体内のエストロゲンに影響を与えるとされ、当てはまる人はホルモンの影響を受けやすく乳がんになりやすいといわれています。
また30代後半から40代にかけて乳がんになる危険性が急増しますが、まだ30代前半で若いから、出産や授乳経験があるから、閉経してしばらく経つからなどという理由で安心してはいられません。

近年乳がんが増加している背景には、食生活の欧米化などライフスタイルの変化が関係していると考えられており、ホルモンの分泌を乱す高たんぱく・高脂肪・高塩分の食事や、体重増加なども危険要因となりえます。

しこりや乳房の変形を発見したら、専門医の診断を受けましょう

早期の段階では自覚症状があまりないとされる乳がんですが、進行とともに自覚症状があらわれます。典型的な症状としてよく知られるのが乳房にできるしこりです。乳頭や乳輪周辺に湿疹やただれができたり、血の混じったような分泌物が乳頭から出たりという症状がみられる場合も乳がんの疑いがあります。

乳がんが進行するとえくぼのようなへこみが乳房にできたり、症状が進むことで乳房や乳頭の周辺組織がひきつれて変形がみられたりすることがあります。皮膚が腫れて赤くなる、熱っぽさを感じる、乳房に痛みがあるなどの症状も乳がんのサインです。わきの下のリンパ節に転移していると、腫れ、しこり、しびれなどをわきの下に感じる場合があります。

このような乳がんの症状に似たものに乳腺症や乳腺炎などがありますが、自分で判断することなく、ささいな異変であっても気付いたら専門医に相談しましょう。

早期に発見すれば比較的治りやすい乳がん

定期的なセルフチェックや検診、食生活の改善などを心がけてください。セルフチェックは、しこりの有無や、乳房の形状や左右のバランスのチェック、皮膚や乳頭の異常の有無などを確認します。また検診には、視・触診、マンモグラフィ、超音波があります。

これらを行うことで、しこりになる前の小さながんや、がん診断のきっかけとなる石灰化などを早期に発見しましょう。


参考文献・出典など
■日本医師学会知っておきたいがん検診
■ファイザー製薬乳がんを学ぶ

画像提供:PIXTA

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