【岡崎のCure】がん遺伝子パネル検査

治療・検査・診断を学ぼう

がん遺伝子パネル検査とは?

がん組織を用いて、多数の遺伝子を網羅的に同時に調べる検査です。

特定の遺伝子を1個だけ検査するコンパニオン診断。


がんに関わる遺伝子検査には、体質的にがんに罹りやすいかどうかなどを調べる「遺伝学的検査」と、がん組織を用いて、がんの中で生じた遺伝子の異常を解析する「体細胞遺伝子検査」があります。ここでは、がんゲノム医療に使われる体細胞遺伝子検査について紹介します。
従来行われてきた体細胞遺伝子検査では、がんの増殖に関係する特定の遺伝子を1個だけ調べます。そして、すでに保険適用となっている「分子標的治療薬(病気の原因である特定の分子にだけ作用するように設計された治療薬)」や、「免疫チェックポイント阻害薬(免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬)」を投薬できるかを確認します。これを「コンパニオン診断」と言います。コンパニオン診断は平成23年頃から普及し、がん治療の進展に大きな貢献を果たしています。

多数の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査。


コンパニオン診断に加え、現在注目されているのが、「がん遺伝子パネル検査」。これは、次世代シークエンサーという解析装置を用いて、一度に100種類以上の遺伝子を調べる検査です。パネルというのは、パネルディスカッションのパネルと同じ意味で「いろいろ調べます」ということを表しています。
がん遺伝子パネル検査は誰でも受けられるものではなく、標準治療のない固形がん患者さん、標準治療が終了となった固形がん患者さん(終了見込みを含む)が対象です。検査で遺伝子変異が見つかり、その遺伝子変異に対して効果が期待できる薬があれば、その薬の使用を検討します。しかし、遺伝子変異が見つからない場合や、遺伝子変異があっても、使用できる薬がない場合も多くあります。検査を受ける場合、そのことをあらかじめよく理解しておく必要があります。

 

Doctor’s message

がんセンター長・乳腺外科統括部長
日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医
村田 透
治療の選択肢が広がるように検査に力を注いでいます。

人の体は精子と卵子が受精して一つの受精卵ができて、それが何回も細胞分裂を繰り返し、最終的には40兆くらいの細胞になります。受精卵のゲノム(遺伝子)が細胞分裂のたびにコピーされていくわけですが、その途中にエラーができて、遺伝子の変異が生じるのが、がんという病気です。
がん遺伝子パネル検査は、その遺伝子変異を明らかにすることにより、一人ひとりの体質や病状に合ったがんの個別化治療をめざします。新しい薬物療法に繋がる遺伝子変異が見つかるとすれば、治療の選択肢は大きく広がります。より多くの患者さんに福音を届けられるよう、その可能性を追求していきます。

 

 

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